熊野、本郷で藺草づくりから、中継ぎの機械も修理して備後畳表の伝統中継ぎを継承するために幅広く活動されている、福山大学工学部建築学科 佐藤圭一教授の講演会が西部市民センターで行われます。
ぜひとも、備後畳表の魅力を感じていただきたいと思います。
びんご畳表は,表皮が厚く,粒揃,光沢がある上,青味を帯びた銀白色の美しい藺草(いぐさ)を厳選して使用した高級な畳表として,全国的に名声を博しており「備後表(びんごおもて)」の名称で広く愛用されています。
南北朝時代(1347年頃)の公家中原師守の書いた日記「師守記」の中で『父の供養の為,備後筵(むしろ)をお布施した』との記載があり,この頃から既に畳表が栽培・製織されていたことが伺えます。
その後,1532~1557年では南部の山南(さんな)村で藺草を栽培し,引通表を製織した記録が残っており,ここで藺草の産地としての基盤が確立したものと考えられています。
福山藩では,藩政時代を通じて実施された公用表の検収制度は,明治以降も検査制度として引き継がれ,組合を設立して畳表に証糸を織り込むなど,品質保証に努めた結果,2007年度には内閣総理大臣賞も受賞,京都御所の迎賓館にも送られました。