第2回福山市地域コミュニティ推進懇談会
事例発表
持続可能な地域コミュニティ形成に向けた取組について
御幸学区まちづくり推進委員会 委員長 井上誠さんとNPO法人ひとまちスタジオの平岡さんの発表を聞かせていただきました。
御幸学区
井上委員長はまちづくり塾に参加して地域の行事は何のためにやっているのか?の問いかけに考えさせられたとの事でした。
今まで行事の統廃合は考えた事がなかった。
それと、まちづくり塾でのやりとりがとても楽しかったとおっしゃってました。
地域の行事も楽しくないといけないと思うようになり、2019年まずは行事の見直しを行い、毎年恒例になっていた1月1日に行われる新春絆ウォーキングをやめられたそうです。
御幸学区は上岩成、下岩成、森脇、中津原の4つが独立している
人口は増えているが関わりが薄くなってきている。
行事を楽しくする目的と、非難訓練を合わせて避難場所運営訓練をひろい体育館を使って行った、今年度はこれしかやらなかったが、とても盛り上がり、楽しかったとの声もあったとの事でした。
井上委員長は『無理にやらない、楽しむ事』を大事にしながら取組を行なっているそうです。
NPO法人ひとまちスタジオ
2つ目の事例発表はNPO法人ひとまちスタジオの平岡さんでした。
備後圏域全ての人にやさしいまちづくりを実現するために活動をされています。
笠岡市の循環型の地域の実例や浦崎のLINE講座で時間をかけて地域の人がLINEで地域情報を共有する状態を作れるようになってきたとの事でした。
いろんな地域の方に教えている中で気がついたのは、ITは高齢者が苦手といったイメージですが、実はママさん達も不安に思っていることに気がついたそうです。
女性の悩みや地域での取り組みなどに関わる中でITが活用できる女性が増えると地域が明るくなると考えるようになったとの事でした。
インターネットでコミュニケーションを取りながら地域の情報マップを作っていく。
マップを作る事が目的ではなく、出来るまでのプロセスが非常に大事だと言ってました。
多くの人に関わってもらい、みんなで作り上げるマップに価値があるのだと思います。
ワークショップ
3つのグループに分かれてワークショップを行いました。
テーマ1 地域活動の負担軽減の工夫の提案
テーマ2 コロナ禍における地域のコミュニケーション
ワークショップの様子
負担を書き出す
会議が多い、役員の負担が大きい、役員はさまざまな役をしている、去年と同じことを今年もやっている、役をやりたがらない、関心がない、面倒臭い、会議が長い、強制される、順番になっている
解決のための取組
スマホなどのツールを使う、オンライン会議、SNSを活用、若い人の意見を聞く、必要なもの以外はやめる、楽しい行事を多くする、紙をなくす、
コロナ禍での対応
人数を減らす、屋外で行う、
楽しくやるためにはどんな取り組みをすればよいか?
楽しい、おもしろいってどんなこと状態?どうやったらそうなるの?→自発的に取り組んでいる状態、やらされていない
コミュニケーションの基本はあいさつ!!
まずはご近所で「こんにちは」からはじめる
地域活動では見守り活動などを通じてあいさつの出来る地域を作ることが基本
オンライン会議も便利だし、オンラインならではのいい点もあるが、実際に会って話をすることもとても大切なことなので、人数を少なくしてもあって話をする機会を設けるのがいい
発表
Aグループ
課題の見える化を行いました
そこからありたい姿を描いた。そこに向けての取り組みにはまとめるコーディネータ役も必要(ひとまちスタジオさんのような)
新しい生活様式に合わせた地域活動に展開していくときに、スマホ、SNSなどのツールを活用していく必要がある。
個人、企業にもかかわってもらって人材を育成していくことが必要
Bグループ
負担といった言葉を使わない
負担という言葉を使うことが負担に感じる原因になっている
マイナスイメージになっていく
前向きに取り組んでいる人もいる中で、マイナスな雰囲気が生まれてくる
ツールは手段でオンライン会議などをやっていても誰かが話している内容は頭に入ってこないので、やっぱり少人数でも実際に会って話をすることがとても大切
Cグループ
負担は会議が夜遅くなることや時間が決まってなくて長々とやること
これについては時間を決めって時間内に終わるような準備をすることが必要
負担に思わない状況は自主的にやることと、楽しみながら関わること
負担に感じる人と、感じない人がいる、その人のとらえ方、取り組み方で変わってくる
オンラインは時間はかかるが10年かければ出来る
あと、報酬は大事
何かの活動を行ってお金を稼ぐ、収益をあげることは楽しい取り組みになる
年配の女性が集まってワイワイしながらものを作っている姿は楽しいそう
作った小物を販売しているところもあるので、実際に取り組みとして出来そうな気がしました。
まとめ
桜井教授
コロナによって我々はいろいろ考えさせられた。
行事を中止するときは多くの人が抵抗感があり、反対していたが、仕方なく中止にすると、小声で聞こえてくるのは「今年は楽だった」
この中止→楽だった→やらない→やらなくてよい
のサイクルが固定化してくると地域活動を行うことが難しくなる
このことは役を受けられている人は感じているので、新年度は何とか小規模でも事業を行いたいと思っているかたも多い
負担のない社会はない
だから
どう取り組むか
行事を軽減する、負担を軽減する方法は2通りある
①行事を中止する
②新たな人材を育てる
今回のワークショップを見て感じたことが4つありました
1,オンラインには強みと弱みがある。
行事の中でシャンシャンと終る総会などの確認事項のみのものはオンラインでやればよいが重要な取り決めをする会議などはオンラインでやると意見が出なくなり、決定事項に対して不満を持ちながらそれぞれが活動することにより、不満が爆発した事例もある
重要な会議は少人数でもあって話をするほうがよい
オンラインは便利なツールだが使い分けが必要
2、統合、廃止、話し合い、連携
これからの地域活動はやっていることをやめていくことが重要
やめることに抵抗があるかもしれないが、みんなで話し合って決めたことは意外にスムーズに進む、前に進んでいく
なんでも話し合って決めることが大事
みんなで話し合って行事の見直し
3,単位組織の声
それぞれの団体の代表をされている方が集まっている今回のような会は全国でもあまりみることがない。
第1回目の時には、団体の取り組みのことを話されて立派な地域づくりをしている話が多かったが、本日のワークショップでは、個人の本音の部分が多く出ていて、各グループとても楽しそうで盛り上がっていた。
本音で話せる場がとても大事だ。
日本は地域活動は補助金まみれになっている。行政サポートありきの地域活動になっている。これは限界がある
地域の未来(持続可能な地域)を作るためにはこのままではいけない
統合、廃止、話し合い、連携これらはお金のかからないもの
お金の使わない地域づくりが重要
④細かな視点整理
細かな視点でいろんなことを見直していくことが必要
例えば
会議の数は年に何回やっているのか
エリアのこと、部会のこと、細かい視点で整理を行っていくことが必要
負担が減ることでやる気が出る状態になることもある
渡邉座長まとめ
負担は心理的負担、主観的負担を無くすことが必要
①興味があること
②みんなで決めたこと
③ICTといった道具をうまく活用すること
④若者の行動特性を見てみると、事消費、時間消費をしている傾向がある。これ自体が実は地域活動そのものではないですか?
この力の方向を地域活動に向けることが出来れば持続可能な地域、活気のある地域に向かわせることが出来るのではないだろうか